優れた算数のアクティブラーニングの事例-筑波大学付属小学校・盛山隆雄先生の実践-

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日本各地で優れたアクティブラーニングの実践を行っている先生方が大勢いらっしゃいます。今回の記事では、その好例として、筑波大学付属小学校の盛山隆雄先生の算数の実践について取り上げたいと思います。盛山隆雄先生は「対話」を基調とした授業の実践を行っており、優れたアクティブラーニングの事例として参考になります。
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盛山隆雄先生の実践

盛山隆雄先生の授業のプリンシプルは「子どもの自己解決能力を育成する」というものです。ここで重要視されているのが「理解」の概念です。単なる知識の出徳のみならず、深い意味での「理解」を学習者に求めます。盛山隆雄先生は「最初の問題の理解で見通しを立て、次々と問題を解決していく」ことを大切にしています。従来の授業では、初めから学習者に考えさせることを求めてきました。しかし、ただ単に「考えろ」と学習者に求めてうまくいくほど、教育は単純なものではありません。盛山隆雄先生は「問題の提示の仕方を工夫すること」を重視しています。例えば、「足し算のひっ算」を例に挙げます。盛山隆雄先生は足し算のひっ算の方法を「コンパクトに解説」してから、実際に例題に取組ませます。このとき、盛山隆雄先生は「111+222+333+444+555+666」の答えを「2013」と書きます。しかし、実際の正解は「2331」です。ここで学習者から主体的な声があがってきます。「先生、間違ってる!」という声です。そして、「模造紙に答えを書いてしまったから、斜線で新しく答えを描こう」と言います。これは、わざと盛山隆雄先生自らが答えを間違うことによって、学習者に本当の答えを考えさせる仕掛けです。学習者と対話をしながら、学習者に主体的に問題に取り組むことを運がします。また、これによって、学習者のmindに正しい答えの導き方が刷り込まれます。さらには、教師という権力を握った者の答えをうのみにするのみならず、批判的に見つめていくことも学習者に伝えることができます。将来、権力者に対して、批判的な視点から考察ができる「市民」を育成するためにも、このような仕掛けは大切だと考えさせられます。
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このように、盛山隆雄先生の実践は「対話」を通じて、学習者とインタラクションを行いながら、授業を形成していくものです。「対話」と聴くと、雑談や冗談ばかり言うことを想定する教師も多いようですが、そのような次元の対話ではなく、学習者の自らの主体性を重んじるために「計算されつくされた対話」のことです。教師は授業中、頭をフル回転させて、学習者に寄り添う必要があります。教師の努力によって、学習者に努力の大切さを学ばせることができるのではないでしょうか?優れたアクティブラーニングの事例として、盛山隆雄先生から学ぶことは多いと思います。アクティブラーニングは一過性の流行物ではなく、学習者の未来のための方法論です。アクティブラーニングについていい意味での批判的考察が必要とされるのではないでしょうか?