優れたアクティブラーニングの事例(田尻悟郎先生と生成文法)

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アクティブラーニングは近年生み出された流行物と思われがちですが、以前よりアクティブラーニングの実践を行ってきた実践者はいました。その代表が英語科の田尻悟郎先生です(田尻悟郎先生については以下の記事をお読みください)。

英語科のアクティブラーニングの事例(田尻悟郎先生の事例)

田尻悟郎先生の優れた実践については様々な視点から考えることができるのですが、今回の記事では、田尻悟郎先生の文法解説について語りたいと思います。田尻悟郎先生の文法理解及び文法解説はチョムスキーの生成文法に依拠するところが多く、英語教師も生成文法の基礎を学べば、文法指導に深みが増すことが分かります。今回の記事が、英語科におけるアクティブラーニングの優れた実践例の説明として機能すれば幸いです。
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田尻悟郎先生の文法指導

田尻悟郎先生の文法理解と文法指導はチョムスキーの生成文法に依拠する部分が大きいです。田尻悟郎先生本人も、「学生時代に生成文法の基礎は学んだ気がする」と語っています。例えば、田尻悟郎先生は、文法において「語順」を重視します。語順表を作り、それに当てはめて英作文・英語会話文の創造を学習者に促します。従来の「5文型」よりも、自身が作った語順表のパターンに当てはめることを促します。生成文法でも「語順」は重要視されており、文の成立過程を丁寧に分析しています。この分析過程を「わかりやすく」提示したものが、田尻悟郎先生の語順指導だと言えます。また、田尻悟郎先生の個々の文法解説にも、生成文法の要素が見られます。例えば、一般動詞についての説明です。田尻悟郎先生は「桃太郎」の物語を使って、一般動詞などについての解説を「わかりやすく」行います。この際、「一般動詞」の土台である助動詞doは一般動詞の後ろに隠れており、疑問文や否定文になると、それが明示的に姿を現す…というような解説を行います。これは、生成文法における分の成立過程の記述に反映されたものでさり、やはり田尻悟郎先生の文法指導は生成文法に影響されていると考えさせられます。以上のように、田尻悟郎先生の文法理解・文法指導のベースには生成文法があり、英語教師は生成文法の理解を深めることが大切だと思わされます。このとき「わかりやすい」ことについて考察することが肝要です。単純に「わかりやすい」と言っても、それは教師の語りが耳に届きやすいなど…解説の中身ではないケースもあるため、「わかりやすい」ということについて、しっかりと教師は考える必要があるのではないでしょうか?単純にシンプルに説明するだけでは「わかりやすいこと」は功罪になります。表面的な理解しかできないからです。教師は10を理解して、それを3~4くらいまで、学習者のレベルに落とし込むこと…これこそが「わかりやすい」ことではないでしょうか?単純に「わかりやすい」を無思考的に肯定あるいは否定するのではなく、田尻悟郎先生のような優れた実践者から、教師が各々に指導方法を考える必要があるのではないでしょうか?それがアクティブラーニングを進化(深化)させていく鍵です。教師は自分だけのアクティブラーニングを作っていく必要がありのではないでしょうか?