中学校における英語科のアクティブラーニングの事例(演劇)

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コミュニケーション能力を育成するためにはどうすれば良いのでしょうか?単純な会話の繰り返しでは、コミュニケーション能力は育成できないのは、このブログでも何度も語りましたが、ではどのような具体的な方法を用いれば良いのでしょうか?今回の記事では、中学校における英語科のアクティブラーニングの事例として、「演劇」についてまとめたいと思います。筆者の体験談も交えながら、英語教育におけるコミュニケーション能力育成のカギを探索したいと思います。
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英語劇の体験談(ラボパーティ)

私は小学校の時に、ラボパーティという団体に入っていました。そこでは、毎週ミーティングを行い、英語の歌を歌ったり、英語の学習を身体・精神を総動員して行う取り組みが行われていました。そして、ラボパーティの柱となっているのが「英語劇」です。英語のテキスト(ラボパーティの英語のテキストは非常に優れたものでした)を読み込み、役を割り当てられ、その役を演じる稽古が毎週なされていました。この小学校の時の体験が、私のその後の英語学習に好影響を与えたのは言うまでもありません。「演じる」という、別の人間の感情体験・身体体験を想像することによって、人間性が育まれます。それを通じて、英語を用いた演技を見せるというのは、自然な英語の使用という英語教育の目的を最大限に発揮している瞬間ではないでしょうか?ラボパーティでの体験によって、私もその後の英語学習において、どのように自分の自己を英語のモード用の自己に変革させるかということを念頭に置いた学習ができるようになった気がします。この演劇教育を英語教育でもっと盛んにさせることを主張します。
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英語教育にも演劇教育を!

私は実体験を基に、学校の英語教育にも演劇をさらに取り入れるべきだと主張します。先ほど述べたように、他者の感情体験・身体体験の想像・創造を思春期に行うのは非常に大切なことです。それによって、想像力がもたらす思いやり、思いやりによって強化される教養が身につくと信じて止みません。具体的には、英語の教科書のロールプレイから始めると良いでしょう。中学校の英語教科書というのは、登場人物による対話を中心とした物語形式であることが多いため、ロールプレイが比較的行いやすいのが特徴的です(高校の教科書は雰囲気が変わるため、それについては別の機会に語ります)。グループを作って、教科書の登場人物になりきり、演技を行う活動です。このとき、単なる教科書の文字通りの意味を再生産するのみならず。その発話を発した背景にまで読み取らせることが大切です。その発話を行ったときの心理状況、感情、他者との人間関係、周囲との関係など、「コンテクスト」を重視した演技が必要とされます。それによって、英語が単なるツールではなく、人間性を表象する「人間の一部」となりえます。英語は国際競争力のためのツールばかりではありません。また、コミュニケーションを行うためのツールばかりでもありません。さらに、これが一番大切なのですが、テストで良い点を取るための技術では決してありません。英語を使用する人間の身体・精神が写る鏡なのです。英語教育はまず、英語というメディアそのものについての考察をもっと行うべきだと思います。その考察を踏まえれば、演劇というアクティブラーニングももっと重視されるようになるのではないでしょうか?