中学校における社会科のアクティブラーニングの事例(日本国憲法の分析)

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日本国憲法が揺れています。様々な立場と思惑の下で、日本国憲法のあり方が変わろうとしています。今回の記事では、中学校における社会科のアクティブラーニングの事例として、日本国憲法の読解と分析について取り上げたいと思います。学習者は未来の社会を作り出す大切な存在です。彼ら/彼女らに日本国憲法についてしっかりと考える機会を、義務教育の段階で提供するのは大切な使命だと思っています。今回は、その一案として、実践例について取り上げたいと思います。

日本国憲法

個別で日本国憲法を理解する

まずは教師から日本国憲法に関する基礎的な知識を学習者に提供します。これについては、あまり時間を割かない方が良いです。そして、学習者個人個人で、日本国憲法に関する読解を始めます。まずは、日本国憲法の原文を見ながら、穴埋め方式でワークシートに記述する活動でも良いので、日本国憲法という普段なじみのない文章と向き合わせることが大切です。そして、様々なケースを事例として取り上げ、日本国憲法の持つ権力性・有効性などについて考えさせます。まずは、個人個人の解釈を大事にすることが肝要です。個人でしっかりと考えたら、ここからがアクティブラーニングの出番です。

日本国憲法

グループで日本国憲法を理解する

学習者が個人でしっかりと考えたら、グループで考えや意見を共有します。このとき、ディベートのような対戦型のコミュニケーションにするのではなく、お互いの考えや意見を交流し、洗練させるディスカッションのようなコミュニケーションを目指すことが大切です。日本国憲法がどうして誕生したのか?日本国憲法はどうして大切なのか?日本国憲法を改正するとしたらどうするか?大日本帝国憲法とどう違うのかなどと、日本国憲法が学習者の身近なものとして映るような工夫が必要です。このとき、日本のみに視野を置いた学習ではなく、世界の中で日本を見るとどう考えるかという発想が必要です。単に防衛のために日本国憲法を改正するべきだというような短絡的な考えに、学習者が陥らないようにする必要があります。様々な要因を複合的に考え、理解し、表現する力を学習者に養わせなくてはなりません。アクティブラーニングは従来の個別型学習の域を超えて、考えや意見の交流ができることがポイントの1つです。学校の教室という空間を効果的に活用するには、学習者を交わらせることが不可欠だと考えられます。アクティブラーニングを単純に「正―悪」の二項対立で見るのではなく、しっかりと学習者に何を学ばせたいかという視点から考えていく必要があります。