中学校における国語科のアクティブラーニングの事例(物語の創作)

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アクティブラーニングの3本の柱は「協同性」、「主体性」、「創造性」です。この中で、協同性と主体性はつながりが強いのですが、創造性を養う活動は難しいのが通例です。今回の記事では、中学校における国語科のアクティブラーニングの事例として、物語の創作について取り上げたいと思います。物語の創作とは、中学生には難しそうですが、きちんと手順を踏んでいけば、必ずできます。この記事がその一助になれば幸いです。
物語

物語の続きを書く

まず、大元となる物語の題材を選びます。今回は、夏目漱石の「こころ」を取り上げましょう。「こころ」の登場人物である「先生」の後日談を書くことにします。あるいはある一日を扱って。「K」の視点に立って物語を書いても面白いでしょう。「こころ」の物語は、Kの死によってクライマックスを迎えます。その後、「先生」がどのような人生を歩んだかを想像させます。ワークシートに物語の大きな型を印刷しておいて、それを埋めさせると良いと思います。物語の基本形である「起承転結」を軸に考えさせるといいです。「先生」を主人公にして、その後の人生がどのような展開になるかを想像させます。このとき、「登場人物の心理」と「出来事」を「意味」によってつないでいくという「物語論」をある程度、教師は知っておき、学習者にもその素地を養うことが大切です。ある程度の時間を使って、物語を創作させる活動を設けます。
物語

本の作成

物語の骨格がワークシートによって出来上がったら、グループで共有させます。アクティブラーニングの柱の1つである「協同性」がここで活きてくるのです。そして、グループで物語を融合させます。自分と他者の想像力を融合させることも大切な学びです。グループで1つの大きな物語が出来上がったら、美術の授業と連携して、「本」を作らせます。目次から、本文、あとがきまで、グループで手分けをして、本の編集作業に入るのです。表紙の絵、挿絵など、ここで創造性がさらに深まってきます。文字はパソコンのワープロを使用してもよいし、手書きでも良いことにします。1冊の本が出来上がったら、教室に展示します。学級担任と連携を取って、しばらく本は学級に展示しておくとよいでしょう。そして、他のグループの本を読んで、その感想を書いた紙を、本につけます。このとき、感想は「5段階評価」のような量的な評価よりも、作文のような質的な評価が好まれます。その感想を基に、教師はグループを評価していくことになります。こうして、学習者が自ら学んでいくという「主体性」も育まれることになります。今回の記事の学習内容をまとめると、「物語の読解→物語の続きを執筆→グループで共有→本の作成」という手順になります。途中でトラブルが起きても、教師は焦らず、じっくりと学習者を見守ることが大切です。アクティブラーニングの「協同性」、「主体性」、「創造性」のどれをも育てることのできる活動として、この「物語の執筆」は今後注目を集めてもよいのではないでしょうか?