中学校における社会科のアクティブラーニングの事例(権利)

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厳しい社会で生き抜く力を養うために、アクティブラーニングはますます重要性を増しています。特定の教科に限らず、どの教科でも実施可能なところがポイントですが、今回の記事では、中学校における社会科のアクティブラーニングの事例についてみていきましょう。特に今回は、公民の「権利」の分野についての額ティ部ラーニングについてみてみます。
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権利の基本的知識について学ぶ

まずは、最初の10分程度で、教師による「権利」に関する解説を行います。社会科という教科は、社会学という学問分野を背景にしており、教師はある程度、社会学の基本事項について学んでいる必要があります。権利ならびに権力概念についての基本的な考え方としては、ミシェル・フーコーハンナ・アレントの論考が参考になります。このとき、抽象的な概念理解にとどまらず、学習者の身近な例に当てはめて、学習者の興味や関心をひく必要があります。基本的な知識の学習が終わったら、本格的にアクティブラーニングを導入した学習が始まります。
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調べ学習と発表

ここでは「プライバシーの権利と表現の自由」について取り上げましょう。教師は資料を用意し、プライバシーの権利と表現の自由が衝突を起こした事例について取り上げます。それに対し、学習者ばプライバシーの権利と表現の自由のどちらが尊重されるべきかを考えます。教科書、資料集、教師が配布した資料を基に、学習者はまず、各自で学習する事象について調べます。それが終わったら、教室を自由に歩き回り、意見や考えを交流します。このとき、教師は強引に協同学習に持っていこうとするのではなく、あくまでファシリテーターとして見守ることが大切です。そして、学習者に自分の意見や考えに類似した他の学習者と自由にグループを作らせます。4~5人のグループができたら、着席することにします。このとき、学級の学習規律は守らなければなりません。アクティブラーニングの最大の難点の1つは、この学習規律とのバランスにあります。ふざけている学習者がいたら、そっと協同学習に入り込めるよう、自然な語りかけをしましょう。また、1人で孤独感を味わう学習者が出ないような配慮も必要です。グループができたら、グループで調べたことを共有し、グループごとに発表をさせます。発表の練習の時間も設定する必要があります。ここまで、中学校における社会科のアクティブラーニングの事例について取り上げました。アクティブラーニングにおいて大切なことは、「学習者の10年後に語りかける」ことです。今ここにおける学習者ではなく、10年後の学習者がどのように育ってほしいかということを常に念頭に置きながら、教師は語りかけをする必要があります。即効性のある「役に立つ教育」のみならず、長いスパンを頭に置いた教育がこれからの時代には必要であり、アクティブラーニングはその一助にになるのではないでしょうか?