アクティブラーニングと生徒指導(協同学習と思いやり)

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アクティブラーニングは教科教育と結びつきが強いと思われていますが、生徒指導ともなじみが深い概念です。この記事では、アクティブラーニングと生徒指導の関係についてみていきたいと思います。アクティブラーニングによって(1)協調的な精神が養えること、(2)他者への思いやりの精神や身につく、ということを中心に取り上げたいと思います。
学習者

協調的な精神

まずいうまでもなく、アクティブラーニング協同学習を柱にしてあるので、協調的な精神を養うことができます。これまで、学びとは1人で黙々と行うと考えられてきました。テストで良い点数を取ることだけを主眼にした教育(受験対策)のみを考えれば、それだけでよいかもしれません。しかしながら、教育とは、人格の形成を目的としており、生涯に渡って、学習者が生きるために必要な汎用的な能力を身につけさせなければなりません。教育とは、学習者の一生の価値観を育てる大事な営みです。学習者に「他人を蹴落としてまでも、良い点数を取る」ことを備え付けさせるか、「他人と協力しながらお互いに学びあい、高めあう」ことを備え付けさるかは、教師の理念や力量にかかわってきます。アクティブラーニングが重視するのは後者の学習観です。アクティブラーニングの精神をしっかりと学べば、その美しさが理解できると思います。そして、アクティブラーニングの方法論に依拠した教育を行えば、協調的な精神を学習者に宿すという、人格育成を達成できるのではないでしょうか?
学習者

思いやりの精神

アクティブラーニングに対する批判として、協同学習や学びあいが嫌いな学習者のことがよくあげられます。これは黙って見過ごすことのできない事柄です。アクティブラーニング以前にも、理科の実験や家庭科の調理実習などで、このような声はあがっていました。しかしながら、教師は学習者にゆだねることも大切です。協調でない学習者とどのようにコミュニケーションをとればよいかを考えさせることも教育の1つです。学習者が将来、社会に出て、他者とうまくコミュニケーションをとっていくことのよい練習になります。また、アクティブラーニングにより、生徒指導の目標が「見える化」します。アクティブラーニングを行っていて、一人ぼっちの学習者が現れたら、それは教師自身の学級経営がうまくいっていないことを明示的に表現していることになります。それにより、教師はどのような学級経営をすればよいかという計画を新たにたてるきっかけになります。このように、アクティブラーニングを実際に行えば、学習者の生徒指導にも貢献します。従来、教科指導と生徒指導は分離して考えられがちでしたが、これからのアクティブラーニングでは、教科教育と生徒指導を融合させた営みを行わなければなりません。アクティブラーニングを時間をかけて成立させ、うまく機能させることができるようになったら、今日は自分の生徒のどんな顔が見られるだろう?というように、教室に行くのが楽しみになるのではないでしょうか?