【文部科学省が必修化決定?!】教育業界を変えるアクティブラーニングってなに!?教科ごとの中学校での事例とそのやり方。

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アクティブラーニングは「主体的な学び」「対話的な学び」を実現させるための、学校教育に降ろされてきた新しいアプローチです。学習者自らが興味を持って、学びに真摯に取り組み、それを他者と協力しながら共有することに、そのねらいがあります。今回の記事では、中学校における国語科・社会科・数学科・理科・英語科のアクティブラーニングの事例をまとめることにしました。急な上位伝達によって、アクティブラーニングをどのように行えばよいか悩んでいる教師の方は是非とも参考にしてください。
国語科教育

中学校における国語科のアクティブラーニング

まずは、中学校における国語科のアクティブラーニングです。国語教育の中心は「読むこと」と「書くこと」に集約できるでしょう。ここで、「読むこと」の活動を従来のような、教師の一方的な解説で行うのではなく、アクティブラーニングでは、学習者同士の協同学習と対話により、深く質の高い学びに変えることができます。題材として扱われている文章、例えば「かたち」という物語の文章で、登場人物の心情の変化について想像力を働かせます。このとき、物語では登場人物の心情は、風景描写などに象徴されることを押さえておく必要があります。文章中のそうした「ヒント」を探しながら、まずは学習者1人1人に考えさせます。登場人物の心情と言動、風景などについてまとめたワークシートを配布し、まずは1人で考えさせます。それをペアーとグループで共有させるのです。1人では見つからなかった発見も、他者と共有することで深まります。各グループに小さなホワイトボードを配布しておき、グループの意見をホワイトボードにまとめさせます。そして、グループごとに共有された意見を発表させるのです。このような、「協同学習」と「対話」、そして「発見学習」という新しいキーワードにより、国語科の授業はアクティブラーニングに進化します。
社会科教育

中学校における社会科のアクティブラーニング

続いて、中学校における社会科のアクティブラーニングです。社会科教育の中心は「課題発見」、「仮説の検証」、「資料の読解」に集約できるでしょう。従来のような、教師による一方的な解説ばかりを行うのではなく、アクティブラーニングでは、学習者自ら課題を発見させ、それに対する仮説を立論させ、その検証を行わせます。例えば、「江戸時代」について学習するとします。ここで、基本的な知識をまずは学習者に身につけさせ、そこから各々の興味に応じて、研究をさせるわけです。例として、「江戸時代の赤穂浪士の事件はどうして起こったのか?」という課題を発見する学習者がいるかもしれません。そうした学習者の興味をグループ化させ、小さなプロジェクトチームを作っていきます。そして、対話と資料の読解を通じて、「江戸時代の赤穂浪士の事件は、幕府に対する異議申し立てだったのではないか?」などのような仮説を立てさせます。そこからは、グループごとに、再び対話と資料の読解を通じて、仮説を検証させます。このような、社会科のアクティブラーニングの授業は、大学や社会に出てから必要になる「探求心」を育てるのにうってつけのアプローチです。
数学科教育

中学校における数学科のアクティブラーニング

続いて、中学校における数学科のアクティブラーニングです。数学科教育の中心「数学的な思考力の育成」に集約できるでしょう。従来は、教師が問題を板書し、指名された学習者が解答を書く、というものだったかもしれませんが、アクティブラーニングでは、実際に体験し、発見する学習のプロセスが重視されます。例えば、確率の学習を取り上げます。従来のような教科書の解説・問題を中心に学んでいくのではなく、実際に教師がさいころなどを振って、「1が出る確率」などを試してみるのです。教師によるデモンストレーションが終わったら、実際に学習者にさいころを振らせ、確率について学びを深めていきます。「2が出る確率はいくらか」などというように、学びを進展させていくのです。そのプロセスでは、学習者同士の交流や対話も豊富に生まれるでしょう。そのプロセスを大切にし、数学科のアクティブラーニングを行っていく必要があります。
理科教育

中学校における理科のアクティブラーニング

続いて、中学校における理科のアクティブラーニングです。理科教育の中心は、「科学的な見方・考え方を駆使して、知識・技能や思考力を養う」ことに集約されるでしょう。従来のような、学習者が受け身で学習するのではなく、学習者の主体性を重視します。学習者の個々の興味に応じて、実験・観察などの活動に広げていくのです。ここで具体性というのが重要なキーワードになってきます。例えば、酸素について学ぶために、調理のような活動を行ってみることです。このプロセスで、学習者は酸素の働きについて気づき、考えるように仕掛けを作ります。それを、1人1人の思考で済ませるのではなく、協同学習と対話を促進させ、思考の共有を図ります。学習者が将来、科学者になると想定するとわかりやすいかもしれません。科学者は自らの興味で観察や実験に進んでいき、他の科学者との交流を通じて、自身たちの研究を発展させていきます。このような科学的なアプローチによる「生きる力」を身に着けさせるための教育こそが、アクティブラーニングによる理科教育なのです。

中学校における英語科のアクティブラーニング

英語科教育
最後は、中学校における英語科のアクティブラーニングです。英語科は、最もアクティブラーニングの要素が豊富にありながら、最もアクティブラーニングを実践するのが困難な教科として知られてきました。アクティブラーニングが困難なのは、その題材の薄さが原因だと言われています。中学校の英語の教科書と言えば、英会話学校のテキストのような印象で、学習者同士の協同学習や対話が困難だとされてきました。しかしながら、それは、「文字通りの意味」でしか、題材を見つめられていないからです。「意味」という概念は複雑であり、意味には「話者の意味」もあります。言外の意味と言ってもいいでしょう。この話者の意味にまで視野を広げることによって、中学校でもアクティブラーニングによる英語教育は可能になります。教科書の登場人物の発言から、その意図するものは何かと考えさせたり、そこから読み取れる登場人物同士の関係など、様々な文脈に学習を広げることは可能です。そのような「1つに定まらない答え」が登場すると、アクティブラーニングはうまく機能します。学習者が自ら主体的に考えて、他者と交流し、意見を共有するという協同学習がここに実現するのです。ことばに対する鋭敏な感性をもってすれば、英語科におけるアクティブラーニングは十分に可能性に満ちた取り組みになります。
アクティブラーニング

アクティブラーニングの未来

以上、中学校における各教科のアクティブラーニングの事例についてまとめてきました。アクティブラーニングは急進的に登場したアプローチではなく、現代、そして未来の世界を生きる子どもたちのことを考えて生み出されたアプローチです。これからの激動の世の中を生き抜いていかなければならない子どもたちのことを考えながら、授業づくりに取りくめば、自然とアクティブラーニングの発想が優れており、役に立つことに気づくのは間違いないと思います。アクティブラーニングを単なる「お祭り」で終わらせるのではなく、日本あるいは世界の未来のために発展させていくことが、今後のカギとなっていくのではないでしょうか?