高校における英語科のアクティブラーニングの事例

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度重なる政策により、英語教育は焦燥感に包まれています。特に、高等学校は「英語で授業を基本とする」という方針がとられて以来、政策サイドに振り回されている印象を受けます。しかし、どれだけ政策などが変化しても、いつの時代も教師は学習者のことを見つめなければなりません。アクティブラーニングもまだ発進段階でこれからどう転ぶかはわかりませんが、良い可能性もあります。それは、学習者のことを真剣に考えられるという点です。この記事では、高等学校における英語科のアクティブラーニングの事例として、「英語表現」あるいは「ライティング」と言ってもいいかもしれませんが、「書く力」の育成を目指す取り組みについて紹介します。
ライティング

Peer learning(ピア・ラーニング)で学習者同士の学び合いを!

ライティングの授業というのは、古いイメージですと、学習者が黒板に英作文を書き、教師がそれに対して、フィードバックを行うというものでしょう。この方法論は、古い時代からの積み重ねがなされており、成果をあげてきたことも間違いはありません。しかし、今回はそれを1歩踏み出して、「Peer learning(ピア・ラーニング)」を取り上げたいと思います。それは、一言でいえば、「学習者同士でライティングのフィードバックを行う」というものです。まさに、アクティブラーニングの掲げる「協同学習」や「学び合い」を積極的に取り込んだ方法論になっています。学習者をまずはペアーにわけ、お互いのライティングの「作品」を点検させます。そして、お互いの持てる力によって、フィードバックを学習者同士で行わせるということです。さらには、ペアーで共有した「作品」を、今度はグループになって、さらに大人数による共有を目指します。
ライティング

Peer learningの注意点とは!?

さて、ただ単に学習者に「学び合い」をさせればよいというわけではありません。それを成立させるための条件や要素が必ず存在します。まず、一番大切なことは、学習者がお互いの差異を肯定的に認められる環境が整っていなければなりません。協同学習学び合いをさせるといっても、ある学習者が他の学習者を見下すような環境が出来上がっていれば、Peer learningは確実に失敗に向かいます。そこで、教師は学習環境を整える必要があります。お互いの学力・性格・気質などの要因の差異があることは当然ということを学習者に強調し、それを実感させなければなりません。そのような「学びの共同体」が出来上がって初めて、Peer learningは成立に向かいます。また、ペアー学習やグループ学習も、全てのペアーやグループの学力などの要因が均一になるように仕掛けを行う必要があります。ある中学校の英語教師は、座席の順番を決めるのに、何か月も思索を重ねるということです。このように、学習者に対するきちんとしたケアーがなされなければ、Peer learning「暴力」となりかねません。アクティブラーニングの成功の秘訣は、教師と学習者の信頼関係と、学習者同士の信頼関係が必須です。大掛かりな授業実践を心がける前に、まずは安心して学べる学習環境づくりを、様々な教師の手を借りながら、行うことが先決ではないでしょうか?