アクティブラーニングが注目されている背景

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日本の学校教育では、アクティブラーニングの重要性が叫ばれていますが、どうしてこのような動きが生じたのでしょうか?そこには(1)新自由主義、(2)情報化社会という2つの要因が複雑に絡まった日本社会という構造があります。今回の記事では、日本におけるアクティブラーニングが注目されている背景として、この2つの日本の社会背景についてまとめたいと思います。

1.新自由主義

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まず、日本社会は2000年代以降、「新自由主義」という体裁を取るようになりました。簡単に言えば、経済の世界における「自由競争」を加速化させたということです。これによって、「競争の原理」が強調されるようになりました。教育もこの新自由主義の影響を大きく受け、「点数主義」ともいえるような、競争の原理が支配するようになりました。しかし、日本社会では、古くからのムラ社会の名残もあり、「他者と協調する」という文化は崩れず、新自由主義と日本の古い社会構造は矛盾の関係に陥ることになりました。そこで注目されたのが「アクティブラーニング」、とりわけ、他者と協力する「協同学習」という新しい学習観でした。新自由主義に対抗するために、「他人と協力して1つのゴールを目指す」という新しい学習観を持つアクティブラーニングはこうして注目されるようになったのです。
参考:
wikipedia「新自由主義」
協同学習とは?

2.情報化社会

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さらに、新自由主義の社会と絡んで、情報化社会の波が激しくなりました。インターネットの発達により、誰でも知識にアクセスすることができるようになりました。e-learningなども盛んになり、教育も新しい形式をとることを求められたのです。そこで、「アクティブラーニング」の提唱する「創造性を重視する教育観」が注目されるようになったのです。単なる知識の習得ならば、インターネットを活用すれば誰でも容易にできるようになりました。それに抗して、知識の伝達のみならず、学習者の情意面での変容を引き起こす教育が必要とされてきたのです。学習者が将来、社会に出て、0から新しい発想を生み出せることが目標とされています。情報化社会に対応するために、「創造性」というキーワードを持つアクティブラーニングが注目されるようになったのです。
参考:
wikipedia「情報会社会」
情報化の進展と教育の情報化(文部科学省)

3.結論

今回見てきたように、日本社会には(1)新自由主義と(2)情報化社会という要因が複雑に絡み合い、従来の教育では対応が困難になってきたのです。そうした背景のもと、アクティブラーニングが注目されるようになりました。そのキーワードは「協同」と「創造性」です。単なる競争の強化と知識の伝達では、この2つの日本社会の構造には対応できません。それを乗り越えるために、アクティブラーニングはこれからの教育において、重要な立ち位置を占めるようになるのではないでしょうか?