中学校英語科のアクティブラーニング実践例

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アクティブラーニングの重要性が叫ばれていますが、具体的にどのような指導に持っていけばよいかという研究の蓄積はあまりなされていません。今回の記事では、アクティブラーニングの実践を行う中学校の英語科の実践について紹介したいと思います。アクティブラーニングの指導法を模索する教師の方に、1つの「アイディア」として提供できれば幸いです。

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1.自律的学習者の育成

アクティブラーニングの理念は「主体的に行動できる人間」の育成です。これは、教育学では「自律的学習者」として知られてきました。自律的学習者とは、「自身の責任で思考し、判断し、行動ができる学習者」だと定義されています。まさに、アクティブラーニングの掲げる育成目標となる学習者と合致する学習者像です。この理念のもと、広島県の附属学校で実践を行っている実践者の英語科の授業について紹介したいと思います。

参考:

広島大学附属福山中・高等学校

ヒューマンな英語授業がしたい!

2.学びあいを大切にした授業

この実践者の授業実践では、「生徒同士の学びあい」が重要視されています。教師が一方的に教えつけるのではなく、生徒同士が教えあい、助け合い、お互いに高めあうことが目標とされています。学習者の学びあいは、お互いの自己肯定感を高め、主体的になって学ぼうとする態度の育成には欠かせない要素です。その「学びあい」の具体的な実践例ですが、この実践者は、授業で生徒を指名し、生徒が答えにつまった場合、「隣同士で話し合ってください」と語りかけます。そして、「生徒全員」がペアーになって話し合いを始めるのです。1人の生徒が答えに窮する場合でも、全員の責任として、全員を巻き込んで語り合いをさせるということです。これにより、指名されていない生徒も、自らの疑問点を解決することができ、自身に対する責任感を養うことができます。1人では解決できない問題も、他者と協力することにより、解決へとつなげる「学びあい」がまさに実践されている事例であり、アクティブラーニングを活用している実践例だと言えます。

参考:

アクティブラーニングを支える協同学習

3.創造性を重視した授業

さらに、この実践例では、「英語の知識の習得」のみに学習目標を設定するのではなく、「英語を使用して創造的な活動を行う」取り組みを行っています。具体例として、教科書の言語材料が「関係代名詞」で、題材が「ユニバーサルデザイン」の内容について紹介します。この実践者は、授業で最初に、関係代名詞を生徒に習得させた後、「関係代名詞を使用して、新しいユニバーサルデザインを開発する」という活動を設けています。このような「学習者の創造性を重視する活動」によって、学習に対して、主体的に取り組む態度を育成しようと心がけています。学習者の主体性を重んじる理念は、アクティブラーニングの理念と合致するものです。

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参考:

ユニバーサルデザイン

4.結論

今回は、アクティブラーニングの実践例として、「自律的学習者」の育成のために、学習者に「学びあい」を促し、「創造的な活動」を行わせる英語科の授業について紹介しました。アクティブラーニングとは言いますが、具体的に実践レベルまで落とし込もうとすると、教師は苦労するものです。今回紹介した実践例を、1つの「アイディア」として取り込み、普段のアクティブラーニングの授業実践に活かしていただければ、これ以上の喜びはありません。