アクティブラーニングが目指す学習者像とは!?

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理念を掲げるには、その目的とされる対象が必要です。アクティブラーニングも、理念レベルでは美しいものですが、その目的が不明慮になっていると、単なる「お祭り」で終わってしまいます。この記事では、アクティブラーニングが目指す「学習者の姿」を今一度整理したいと思います。
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1.主体的に行動する学習者

アクティブラーニングは「能動的な学び」などと日本語訳がなされていますが、「能動的な学び」とはどのようなものなのでしょうか?それは「自分の責任で思考し、判断し、行動できる学習者」と言い換えることができます。他者、とりわけ教師から受身的に学びに取り組むのではなく、自分自身の力で「学ぼう」という意思を持つ学習者のことです。テストの点数や成績というのは、確かにわかりやすく、役に立つものです。しかし、アクティブラーニングでは、それを乗り越えなければなりません。単なる指標としての「点数や成績」に寄り縋るのではなく、自分で、自身の学びを「点検」する力が求められます。アクティブラーニングが想定する「能動的な学び」とは、自分の意思で学びを実行し、継続させることに他なりません。
参考:
主体的な学びとは何か

2.自分で自分を成長させる学習者

そこで、学習者の特性をそもそも考えなければなりません。ここで参考にできるのが、社会哲学者であるニクラス・ルーマンの「人間観」です。ルーマンによれば、「人間は他者から影響を受けるものの、自分自身で自己を変革していく存在である」とされています。つまり、学習者は、そもそも教師からの「一方的な指導」により、成長していく存在とはみなされていないのです。そうではなく、学習者は自ら「気づき」、自らに新しい経験を取り入れていき、「自分の力」で、自身を変革させていく存在だとみなされているのです。このルーマンの人間観による「学習者観」は、アクティブラーニングの掲げる「能動的な学び」を軸とする「学習者像」と、馴染みやすいものなので、もっと注目されるべきだと思われます。
wikipedia「ニクラス・ルーマン」
松岡正剛の千夜千冊「社会システム理論」

3.アクティブラーニングにおいて、教師がなすべきこととは!?

では、最後に、そのような学習者を目の前にして、教師がすべきことについてまとめたいと思います。極論から言えば、「教師が学習者に対してできることはかなり限定されている」と言えます。学習者は自らの力で自己変革させていく存在だからです。そのようなアクティブラーニングの文脈では、教師は「ファシリテーター」の役割をするのが一番効果的だと考えれます。従来のように、教師が学習者に知識を一方的に伝達するのではなく、学習者の自ら引き起こす成長を待ち、それをサポートする役割をこなさなければなりません。そのためには従来の「解説ばかり行う教師像」はもはやありません。教師は学習者がその気になるまで待ち、できるだけ声は小さく、言葉は少なくし、学習者が本気になるために「寄り添う」役目に終始しなければならないでしょう。アクティブラーニングで求められる教師像とは、「学習者に寄り添うことのできる教師」なのです。
参考:
意外とできていない教師のコミュニケーション
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4.結論

ここまで、アクティブラーニングの掲げる学習者像について、やや抽象的に説明してきました。従来の学習者像とはまるで異なり、ピンとこない読者の方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、アクティブラーニングでは、学習者は自ら能動的に探究する学習者であり、そのために、自らを自らの力で成長させる学習者が理想的です。そのためには、教師は学習者に寄り添わなければなりません。このような新しい発想を具体的なアイディアに作り上げていくことで、アクティブラーニングは、より充実した、希望に満ちた指導法へと進化していくのではないでしょうか?